東日本大震災追悼慰霊行脚の報告
令和5年3月10日(金)、東日本大震災から13年目を迎えようとするこの日、当会においては鎮魂の行脚を執り行いました。
宮城県仙台市の東部、若林区三本塚から出発し、沿岸の荒浜地区までのおおよそ5kmの行程です。当会会員が住職を務める曹洞宗昌林寺に集合のち出発、荒浜地区に建立された慈聖観音像前にて追悼行事を行いました。東北だけではなく、北海道、熊本の臨床宗教師も参加しての行脚となりました。
被災地各県、特に沿岸部においては今も “震災の記憶”があります。あの出来事から年月が過ぎ、記憶の風化が懸念されるほど復興が進展しました。しかしながら3.11を迎えるたびに、あの日の失ってしまった大切な人やふるさとの光景、その後の復旧・復興に向かっていた非日常生活の中での思い、全国から寄せられた支援のありがたさ、前を向くために犠牲にせざる得なかった思いと苦しみ……たくさんの想いがよみがえります。震災への思いや過ごしてきた時間も人それぞれであり、それゆえの寂しさや孤独に苛まれることさえあります。
私たち東北臨床宗教師会は苦しみや悲しみを他人事とせず、現場での活動を模索しております。過去に起因し今もなお続く苦難へ、我々はどのように向き合うべきなのか。立場や所属の異なるもの同士がともにあって、巡礼の行脚・追悼の祈りのうちにいささかの役割を果たしうることを願う、そのような日となりました。
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